補綴 (ブリッジ・入れ歯)
歯を失った場合の治療法
入れ歯 (義歯)
- 長所
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- 一般的な治療法で比較的簡単に治療が受けられます。
- 短所
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- 咬み心地や硬い物が食べられない場合があります。
- 入れ歯に違和感があります。
- 入れ歯の手入れが毎日必要です。
- 自分の歯を犠牲にします。
- 治療費
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- 保険治療で制作出来る入れ歯もあります。
- 見た目にも良く使い心地の良いノンクラスプデンチャー・金属床義歯もあります。
ブリッジ
- 長所
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- 固定式の方法で、使用感は良いです。
- 治療費をかければ見た目も仕上がりも良くなります。
- 短所
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- ブリッジを固定するためその前後の歯を削る必要があります。
- 歯の抜けた部分の骨が次第に痩せていきます。
- 発音に問題が出る場合があります(構音障害)。
- 土台の歯が1本でも虫歯や歯周病に罹患すると、装着したブリッジを全て破壊し撤去する必要があります。
- 治療費
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- 保険治療で制作出来るブリッジもあります。
- 見た目にも良く使い心地の良いメタルボンドセラミックブリッジやジルコニアセラミックブリッジもあります。
インプラント(人工歯根)
- 長所
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- 自分の歯のように咬むことが出来ます。
- 周りの歯を傷つけません。
- 短所
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- 歯を抜くのと同じ程度の手術が必要です。
- 全身疾患等で出来ない場合があります。
- 治療費
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- 先進医療のため保険外治療です。
- 治療本数・部位等によって治療費が異なります。
歯を抜けたままにしておくと
残った歯に負担がかかる
人間の歯は親知らずを除くと28本あり、1本1本にそれぞれ役割があります。そのうち1本でもないままにしていることは、車でいえば3つの車輪で走っているようなものです。サッカーで言えば11人でやるべき試合を10人でやるようなものです。歯を抜いたままでは、たとえ不自由なく食事が出来たとしても、当然残った歯に負担がかかり、それが続くと弱っていきます。サッカーで11人の敵に10人で戦えば90分はもつかもしれません。でも1年も2年も続けられるでしょうか?また9人ならどうでしょうか?残った選手はだんだん疲れ弱っていくでしょう。
歯のないところに、歯を入れることは、残った歯を守るために必要なことなのです。
咬み合わせの崩壊へ
歯は、上下の歯が咬み合うことで一定の位置を保ちます。
例えば、下の歯が抜いたままにしておくと上の歯はどんどん下へ下がってきます。そして横の歯は歯の無い所へ倒れていきます。これらの狂いは部分的でなく、少しずつ全体の歯列や咬み合わせに影響を与え、その人本来の本当の咬み合わせが変わってしまいます。
この狂いは徐々に少しずつおこるので本人は全く気づかない事が多く、何年も経った頃には、咬む力に衰えが起こり、衰えは本人全体の活力の衰えになっていきます。
歯列のくるった歯の悪影響
例えば、上の歯がないままだと、下の歯がどんどん上がっていき、ついには下の歯が上の歯の粘膜に当たっていきます。通常、粘膜に当たってもあまり痛くありません。食べたり喋ったりする時に口を開けたり、閉めたりします。すると伸びてきた下の歯は上の粘膜を軽く叩くのです。粘膜は毎日何回も叩かれ慢性的な刺激を受け続けます。
すると粘膜は癌化しやすくなります。必ず癌になるというものではありませんが、この様なことは本人が何ひとつ感じずに起こる事なのです。確率は低いことでも、その可能性を残すことはおすすめする事ではありません。
脳への影響
人間は咬めないまま生活を送ると、脳の海馬が萎縮して記憶力がなくなっていくことがわかっています。歯がなくなると、記憶をつかさどる脳の海馬の細胞が死んでいき、そして物忘れなどの症状(認知症)が進むのです。マウスでも奥歯を入れると脳の活性が戻り、脳細胞も増えていくということがわかっています。一部歯がなくても食事が出来るという事に満足せず、歯がないところに歯を入れるという事は重要なことなのです。
ブリッジの種類
1. 金銀パラジウム合金ブリッジ
保険治療で製作する一般的なブリッジ、いわゆる銀歯です。
2. ゴールドブリッジ
素材に展延性があり、口腔内で安定した金属、ゴールドを使用、為害作用を引き起こしにくい(生体親和性良好)高カラットゴールドは、インレー・クラウンからブリッジまで多目的に使用出来ます。
3. メタルボンドセラミックブリッジ
クラウンからブリッジまで安定した技術で対応します。ノンプレシャスメタル(コバルトクロム・ニッケルクロム)にセラミックを加熱・加圧成型するタイプと、プレシャスメタル・セミプレシャスメタルにセラミックを直接積層するタイプがあります。
4. ジルコニアセラミックブリッジ(CAD/CAM)
強度の高いジルコニアを使用し、生体親和性の高いセラミックフレームをCAD/CAMにより作製します。その上にジルコニア専用の陶材を築盛した審美クラウンです。金属を一切使用していないためブラックマージンやメタルタトゥーを防止出来ます。
5. ガルバノブリッジ(AGC)
メッキの技術を応用した電鋳(エレクトロフォーミング)で適合精度の高いメタルフレームを作ります。純金なのでセラミックも美しく仕上がります。マージン部にも純金を使用し辺縁封鎖が容易に可能なため、ブラックマージンやメタルタトゥーを防止出来ます。
入れ歯(義歯)の種類
1. レジン床義歯
保険では使用出来る材料やデザインに制限があります。基本的に全てプラスチックのため分厚くなり快適さが損なわれたり口の中で熱が伝わりにくくなりますが、咬むという入れ歯の基本的な機能については変わりません。
2. コバルトクロム床義歯(金属床義歯)
永く入れ歯用材料として使用され、信頼性も実績も高い材料です。超硬質の材料を使用することで丈夫さや薄さを限りなく追求し、自然に近い装着感や快適感が得られます。一つずつ丹念に人工歯の埋め込み部分に金メッキを施し、プラスチック部分も自然な色に仕上がります。
3. チタン床義歯(金属床義歯)
チタンは体内に埋め込むことが出来るほど安全性の高い金属で、口の中では金属味がほとんどありません。金に近い硬さの純チタンとプラチナに近い硬さのチタン合金があり用途に応じて使い分けをします。イオンコート加工(シャンパンゴールド)を施すことにより、一層お口が明るくなり抜群の軽量化と安定性を実現しました。
4. ゴールド床義歯(金属床義歯)
昔から体に安全とされる金やプラチナを主材料とした合金です。仕上がりの美しさはもとより、鋳造性に優れているので、ピッタリ合いやすく、お口の中では心地よい装着感です。色々な食べ物の味もそのまま美味しくいただけます。金属のしなやかさがバネをかける歯のダメージを少なくします。
5. ノンクラスプデンチャー(審美義歯)
入れ歯には金属のバネがある・ないの違いだけで口元の見た目は大きく変わります。金属バネがない入れ歯、ノンクラスプデンチャーは快適で自然な美しさのある入れ歯です。
残っている歯に負担をかけずにしっかりと入れ歯を固定出来ます。しっかり咬めて、残っている歯の健康も維持出来ます。2008年に厚生労働省認可以降、柔らかさ・調整のしやすさ・軽さ・精度等10種類以上存在します。当院では、エステショットを第一選択とさせて頂いております。
エステショット
多くの審美義歯は修理・調整がしにくい欠点がありましたが、その点が改善されています。
ジェットカーボ
エステショットと同様に修理・調整がしやすい審美義歯で、やや硬いのが特徴です。
スマイルデンチャー
日本で最も普及している審美義歯ですが、中国製のため当院での導入は見送らせて頂いております。
バルプラスト
世界初の審美義歯で50年以上の歴史と実績があります。
6. カムデンチャー(カム構造アタッチメント開閉式審美義歯)
クラスプ(金属のバネ)のアームを開閉出来る審美義歯です。残っている歯を必要以上に形成することなくリジッドサポート(支台歯と義歯との連結を強固にし、歯根膜負担生態の義歯設計)を実現します。
7. マグネットデンチャー(磁性アタッチメント義歯)
入れ歯と残っている歯のそれぞれに磁石を取り付けることによって、入れ歯の安定感や物を咬む能力を高める治療法です。金属のバネが必要ないため口元の見た目も良く、磁力による安定感もあります。差し歯が出来なくなったような歯根の短い歯も歯を抜かずに、利用出来るため咬み心地も良好です。その反面、磁石を取り込むスペース確保のため入れ歯内面を削る必要があり、その部分が薄くなり入れ歯の強度が低下する場合があります。
8. ホワイトクラスプ
入れ歯のバネに金属ではなく、白いプラスチック(ホワイトクラスプ)を使用することで、従来よりも目立ちにくく口元の見た目も改善します。ただし強度的には金属に劣るため、金属のバネよりも太く厚くする必要があります。